タスクをデザインする（脱作業者）

Created

Apr 2, 2023 12:50 AM

タスクをデザインする人

プロジェクトを成功に導くためには、タスクの遂行が必要不可欠です。

しかし、指示された通りに単にタスクをこなすだけでは、プロジェクトの成功にはつながりにくい場合があります。

このような作業者的マインドセットの状態は、タスクに対する理解が限定的で、タスクの目的や意図を理解することが難しい傾向があります。

一方で、タスクをデザインする思考を持つ人たちは、タスクに込められた意図や目的を理解し、その目的を達成するために最適な方法を模索することができます。

このような人たち（タスクデザイナー）は、プロジェクトの成功に大きく貢献することができます。

タスクデザイナーのプロジェクト貢献

タスクデザイナーとして在ることは、自分自身がタスクの設計者であり、プロジェクトを成功に導くために責任を持つことを意味します。

タスクの意味を問い、目的に対してタスクを適切に設計することで、

手戻りのない効率的な遂行が可能になり、プロジェクト進捗の加速

→ プロジェクトにかかるコストダウン（minimum valuableな要求/要件/仕様の設計）

プロジェクト成果物の品質の向上

→ プロジェクトの成果向上

が可能になります。

タスク作業者の限界と問題点

指示に従ってタスクを遂行するだけで、タスクに対する理解が限定的（目的や背景が理解できない）な状態では、

タスクに対して考える余地がなく、タスクに隠された潜在的な問題や改善点を見逃してしまう
成果につながるタスク遂行をプランできない
その作業が本当に必要なのか不明瞭になる

リスクが高まり、遂行速度の損失や、要求を捉えきれていないアウトプットによる成果の減少が問題となりますが、タスクをデザインすることで、これらの問題を回避できる可能性があります。

タスクデザインに必要なスキルとマインド

タスクをデザインするには、まずはタスクの目的や背景を理解することが必要です。

ビジネス上の視点を持ち合わせること

タスクデザイナーは、プロジェクト全体を俯瞰し、ビジネス上の目的や戦略を理解する必要があります。

この視点を持つことで、タスクデザイナーはプロジェクトに適したタスクを設計し、最終的な目的を達成するための段取りを組むことができます。

ユーザー中心の思考

タスクデザイナーは、タスクの利用者であるユーザーを常に意識し、ユーザーが求める価値を考慮しながらタスクを設計する必要があります。

これにより、タスクがより使いやすく、ユーザーにとって価値のあるものになることが期待されます。

問題解決能力

タスクデザイナーは、問題や課題を早期に発見し、解決する能力が求められます。

タスクデザインにおいては、問題を解決するための方法を模索し、それをタスクのデザインに反映させる必要があります。

プロジェクトマネジメント能力

タスクデザイナーは、タスクの計画、実行、進捗管理、品質管理など、プロジェクト全体を俯瞰したマネジメント能力が求められます。

プロジェクトの全体像を把握し、タスクを進める段取りや、スケジュール、優先度を適切に管理することで、プロジェクトの成果に貢献することができます。

これらのスキルやマインドが備わっていることで、タスクデザイナーは、効率的かつユーザーにとって価値のあるタスクを設計し、プロジェクトの成功に貢献することができます。

マネージャーが果たす役割と育成方法

マネージャーはチームメンバー全員が、タスクデザインの視点を持つことを促す必要があります。これは、チーム全体で効率的な作業フローを作り出すために重要なことです。

マネージャーは、チームメンバーにプロジェクトの目的や目標を明確に伝え、共通の認識を持たせることが大切です。

さらに、マネージャーは、タスクデザインのスキルや知識を習得できるような教育やトレーニングの機会を提供すること、タスクをデザインしようとする目線に引き上げていく事も重要です。

これにより、メンバーは自己成長でき、プロジェクトに貢献することができます。

マネージャーには、こうした取り組みを通じて、プロジェクトの成果を最大化する役割があります。

まとめ : タスクをデザインする

タスクデザインとは、タスクがあるときにその目的や背景を理解し、それに適した形へタスクを(再)設計することです。

タスクを(再)設計することで、遂行にあたって適切な意思決定を行えるようにし、コストの減少と成果の増加を図ります。

タスクがデザインされることの好影響は、プロジェクトのみならずタスクを遂行する人にとっても、本質を捉えた仕事を可能にし、かかる時間の減少、評価向上などの形で現れます。

タスクが目の前に現れたとき、まずタスクをデザインしましょう。

※タスクの目的には、起こす変化だけではなく、その期間と水準も含まれます。期間と水準を理解せずにタスクを遂行すると、段取り（登り方）を間違え、コストの増加や成果の減少につながります

FYI

「私考える人、あなた作業する人」を越えて、プロダクトマネジメントがあたりまえになるチームを明日から実現していく方法/product management rsgt2023