この記事は、CAMPFIRE Advent Calendar 2021 24日目の記事です。執行役員VPoPの momotarabitch がお送りします。
今年はCAMPFIREのプロダクト組織が、文字通り加速した一年でした。2021年を振り返り(ちょっと20年も混ざる)、どのように加速してきたのかを残しておきます。
- CAMPFIRE
- プロダクト開発部
- プロダクト開発における課題
- 変革の機会
- 外部環境の変化
- 内部環境の変化
- 組織体制
- プロダクト開発部が目指すところ
- プロダクト組織としてのイシュー, アプローチ, 成果
- PMチームイシュー : プロダクトマネジメント体制の未整備
- エンジニア, SREチームイシュー : 成熟度, 採用力
- デザインチームイシュー : デザインクオリティの向上
- 開発組織全体イシュー : 専門人材の組織化, 事業イシューへの連続的なアプローチ
- 振り返っての気づき
- Go 2022
- 最後に
CAMPFIRE
CAMPFIREは、「一人でも多く一円でも多く、想いとお金がめぐる世界をつくる。」ことをミッションに、
- No.1クラウドファンディング CAMPFIRE
- 融資型クラウドファンディング CAMPFIRE Owners
- 株式投資型クラウドファンディング CAMPFIRE Angels
- 継続課金型コミュニティプラットフォーム CAMPFIRE Community
- 社会問題と向き合う人のクラウドファンディング GoodMorning
- SPA(製造小売)型クラウドファンディング CAMPFIRE Creation
を運営しています。
プロダクト開発部
プロダクト開発部には、
- プロダクトマネージャー
- エンジニア
- SRE
- デザイナー
- データアナリスト
が所属しています。
プロダクト開発における課題
事業成長や市場拡大の過程で発生する様々な問題への対処に追われ、プロダクトによる事業成長というアジェンダに集中しきれずにいました。
また、事業成長のドライバーがビジネスサイド中心であったことや、中長期に経営目線でプロダクトと事業を考える役割の不在といった背景から、イシューへの適切なアプローチと実行を担う組織構築が十分にできていませんでした。
変革の機会
プロダクトがユーザーさん, 事業に与えうる影響の増大、プロダクト開発のスタンドアロン化といった環境の変化により、プロダクト成果とミッション達成へ向けた組織構築が経営イシューとなりました。
外部環境の変化
2020年に新型コロナウイルスが流行し、市場環境が一変したことをきっかけにCAMPFIREは大きな成長を見せました。これにより、プロダクトアプローチによって動かしうる数値のインパクトや、ユーザーさんへの価値提供をヒューマンタッチからプロダクト(テック)タッチへとシフトすることで質と速度を担保する必要性が、大きく増してきました。
内部環境の変化
プロダクト開発やCS、マーケティングなどの事業横断機能を一つの部で統括していましたが、事業成長に対しての組織最適化や担当役員の退任に伴い、2021年1月にプロダクト開発は独立した部となることとなりました。
組織体制
プロダクト開発機能は、プロダクト開発部となりました。
※20年7月まで一つの組織であったプロダクトマネジメント, エンジニアリング, デザインの機能については、適切な成熟と拡大を目指して、20年8月にそれぞれの専門領域ごとのメンバー構成でチーム化がなされています
- プロダクト開発部構成(21年12月時点)
- PMチーム
- エンジニアチーム
- SREチーム
- デザインチーム
また、このタイミングでプロダクト開発部の部長となった僕が執行役員に就任しました。
CAMPFIREでは執行役員の役割を 「 “経営を推進する上での重要事項や方針を執行する” 役割を担うもの」としており、プロダクト開発が経営イシューであることがボードメンバーの構成にも反映された形になります。
プロダクト開発部が目指すところ
- プロダクトをもってユーザー価値を最大化することで、事業価値を最大化する
- 「持続的」かつ「速く」ユーザー価値を創出する
プロダクト組織としてのイシュー, アプローチ, 成果
プロダクト開発に関わる専門領域ごとと、開発全体におけるイシューが存在しました。
PMチームイシュー : プロダクトマネジメント体制の未整備
- イシュー
- アプローチ
- CAMPFIREでのプロダクトマネジメントにおける、領域区分と求めるコンピタンスの定義を行い、必要な人材を採用
- データチームの組成によるKPI目標及び管理の構築
- 体験構造図を活用した目標UXの定義
- 成果
CAMPFIREは、資金需要サイドと資金提供サイドをマッチングするツーサイドプラットフォームです。各サイドと、プラットフォームそのものとで、どれも課題やアプローチの性質が異なり、領域よりも少ない人数のPMでプロダクトマネジメントを行っても向き合い切ることができず、打ち手が浅くなってしまうことが課題でした。また、プロダクトが担うKPIの目標や管理体制、開発が目指すビジョンや目標とするユーザー体験も存在しませんでした。
資金需要サイド, 資金提供サイド, プラットフォームの領域それぞれにPMと、統括として自分という体制で、集中してイシューに向き合える環境を構築しました。また、数値とユーザー体験の目標が定義・可視化されたことで、適切なロードマップの構築、リソースマネジメント(成熟・拡大)の定義が可能になりました。
エンジニア, SREチームイシュー : 成熟度, 採用力
- イシュー
- アプローチ
- 外部委託企業によるメンバーティーチングプログラムの実施
- 権限移譲による適切な意思決定, チーム活動が実施されやすい環境構築
- リードエンジニア制度
- VPoE制度
- 最終評価と育成責任
- 人員計画に関する意思決定と達成責任
- 採用候補者に関する最終評価
- 技術方針に関する意思決定
- 経営会議への参加
- 採用の成功体験づくり
- DevOpsの推進
- カンバンの運用による精神負荷減少と不確実な状況への柔軟な対応
- EMによる適正と志向を意識した適切なアサイン
- 成果
プロパーエンジニアの少なさ(外部依存の強さ)とそれに見合わないタスク管理に起因して、様々な問題が発生していました。
エンジニアチームのマネージャーであった岩崎さんに、VPoEに就任していただき、以下の役割をお任せしました。
※スタートアップのような環境で、要職の任命にあたって重要なことは、「もうやってる人」がもっとやれるようにするために適切な役割と規定をセットすること、なのだなと学びました。岩崎さんはすごいです
今の組織状況に魅力を感じていただける適切な候補者の方に、丁寧なアプローチをすることで、徐々に応募数やスカウトへの返信、選考フローに入っていただける数が増え、次第に内定を承諾いただけるようになってきました。
そうして、一定の間隔で新しいメンバーに入っていただける成功体験やリズムができたことで、さらに計画通り(以上)の採用が進行しています。
VPoE岩崎さんをはじめエンジニアさんたちが採用活動にもコミットしているCAMPFIREですが、PDCAと勝ち癖づくりってすげーって思いました。
この凄さはなかなか言葉で表すことができないのですが、組織の自律性や技術力、業務負荷、精神負荷などあらゆる面で成長・改善が見られています。組織ってここまで良くなるんだと感じています。
デザインチームイシュー : デザインクオリティの向上
- イシュー
- アプローチ
- デザインツールの統一
- 朝会・週例の設置でコミュニケーション増
- ドキュメントによる情報公開と非同期なナレッジ共有の仕組み化
- 社内外を問わず情報発信の積極推奨
- クイックに相談できる文化づくり
- HCDプロセスにおいて幅広い知識と経験をもつ人材の採用・知見の共有
- 成果
デザインの属人化やタスクの積み上がりなどにより、一貫性のないUXや、デザイナーが発揮できるはずの価値が発揮されないことで、デザインの価値が矮小化してしまっていました。
以下のアプローチにより、デザイナー同士の連携を増やして、学びの機会と観点を増加させました。
これらを、継続することを目的として小さくはじめ、チームの文化として定着するようにデザインマネージャーの623さんが設計・遂行しました。偉大
タスクの積み上がりについては、デザインマネージャーがアサインの責務をもち、各種フロー整備や要件段階からのアサインを図ってきました。
学びの文化づくりと積み上がり解消によって、学びの機会が確保され、結果としてデザイナーさんそれぞれのスキルが成長、新たなスキル獲得がなされ、クオリティと担当できる業務が増えるなど確かな成果が見られました。
開発組織全体イシュー : 専門人材の組織化, 事業イシューへの連続的なアプローチ
- 専門人材の組織化
- イシュー
- アプローチ
- プロダクト組織への必要性についての明確化、認識の同期
- 予算を柔軟に扱えるよう、他部署からプロダクト開発部への移動・予算確保
- 採用活動
- 成果
- 事業イシューへの連続的なアプローチ
- イシュー
- アプローチ
- 成果
QAエンジニアやデータアナリストなど、プロダクトの適切なデリバリーや意思決定に必要な人材が不足しており、多くをアウトソースや非専門人材によって代替していましたが、学びの蓄積の不十分さや不適切な意思決定が目立ち、適切な成長を妨げていました。
QAエンジニアについては今後組織化を担いうる方にジョインいただき今後の展開を検討したり、QAナレッジを社内に展開していただいています。密なコミュニケーションがとれることで、PMをはじめ開発に関わるメンバーがQA視点をもてるようにもなってきました。
データアナリストについても、高度に専門的な知識をもつ方達にジョインいただき、多くの分析業務をこなせるようになった他、PMチームイシューにあったプロダクトKPI目標の設定やダッシュボード導入、AIの導入による業務効率改善の足掛かりをつくることができました。データチームの組織化に尽力していただき、マネジメント力を発揮していただいたともなりさんがすごかったです。
PMチームイシューでもありましたが、事業成長へ向けて課題に取り組み続ける体制が未整備でした
ユニコーン企業のひみつを参考に、CAMPFIREで実現可能なhalf squadという組織モデルをトライアルで構築し、実行しました
運用方法の模索段階ではありますが、以前に比べるとはるかにイシューに集中し、施策を連続的に考え実行することができるようになりました。
また、社歴の長い自分よりも、各領域のイシューについて解像度の高いメンバーもおり、フォーカスの威力を感じています。
振り返っての気づき
組織といったストック性のある対象へのアプローチには、実行から成果の発現まで、構造上常に時間的遅れが発生します。その時間的遅れは組織(ストック)サイズに依存しますが、とにもかくにも取り組まなければ物事は変化しません。引き金を引かなければ何も起きません。それを強く感じた一年であり、引き金をひきつづけた同僚に心から尊敬をおぼえました。
Go 2022
チャレンジを担えるプロダクト組織になれました。2022年は事業成長の牽引に向け、執拗にグロースとアップサイドの最大化にこだわっていきます。また、事業(プロダクト)横断のコミュニケーションを活性化し、ユーザー価値の最大化に向けた適切なコミュニケーションや組織成熟を図っていきます。
勘の良いイケてるあなたは気づいてしまったかもしれませんが、ここからめちゃくちゃアグレッシブなCAMPFIREです。募集あいてなくても気軽にご連絡ください。
最後に
プロダクト開発部では、月に一度、PRODUCT MONTHLY PARTYという全体会議をオンラインで開催しています。2021年最後の今日は、今年の感謝をお互いに伝え合いました。みなさん一年間お疲れ様でした。
一人でも多く一円でも多く、想いとお金がめぐる世界をつくりましょう。僕たちなら作れる